2017/03/18

アントレプレナーとJC

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アントレプレナー(entrepreneur)という言葉を聞いたことはあるだろうか。
アントレプレナーとは、自ら事業を立ち上げる企業家を意味する。企業家と言っても、独自の発想で立ち上げ、新たな市場を開拓するベンチャー起業家を指す場合が多い。語源はフランス語 “entrepreneur”(アントルプルヌール)の英語読みだという。

「企業家とは何か」「経済発展の理論」などの著書で知られる経済学者のヨーゼフ・アロイス・シュンペーター(1883-1950)は、経済成長を起動するのはアントレプレナーによる「新結合(ニューコンビネーション)」とした。

シュンペーターの言う新結合の具体例として挙げているのが、
下記である。(清成忠男氏訳)
1 新しい生産物または生産物の新しい品質の創出と実現
2 新しい生産方法の導入
3 工業の新しい組織の創出
4 新しい販売市場の開拓
5 新しい買い付け先の開拓

こうした新結合を遂行することがイノベーションと論じたのだ。

その後、ピーター・ドラッカー(1909-2005)が、「イノベーションと企業家精神」にて、様々な観点からイノベーションを論じた。

よって現在では、アントレプレナーという言葉には、イノベーションがセットのように付いてくるが、もともとはシュンペーターのニューコンビネーションの概念が発端だという。

シュンペーターの指摘する新結合の5点を見て、私が現在、アントレプレナーの精神を持つ者として同世代(JCで言う青年)で思いつくのは、米経済誌フォーブスが3月20日に発表した2017年版の世界長者番付推計で資産約6兆円に達し、世界で5番目にリッチな人物といわれるマーク・ザッカーバーグである。(ちなみに1位は、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツである)Facebookユーザーなら誰もが知っているマーク・ザッカーバーグだが、日本のトップの資産家(孫正義は34位、柳井正は60位)もこの6兆円には及ばない。

もともとFacebook立ち上げのきっかけとなったのは、ハーバード大学に入学したマーク・ザッカーバーグが開発した、女子学生の外見をランク付けするサイト、Facemash.comである。このサイトの立ち上げによって彼は大学から処分を受けるが、そのプログラミングがきっかけとなり彼はFacebookの立ち上げに乗り出したという。
そもそもFacemash.comを立ち上げたのは、彼女にフラれた腹いせだったともいうが、結果、その出来事が彼を世界で最も若い長者番付にしたわけである。

このマーク・ザッカーバーグが代表的なアントレプレナーと言えると私が思うのは、彼の独創的なアイディアにより、新たな市場を開拓し、新たな価値を築き上げたからである。
それは1990年代から爆発的に増えたインターネットの普及という世界のIT革命に柔軟に対応し、ネット上での情報の発信、共有、手軽なコミュニケーションツールという価値の創出であった。そして、それが結果、イノベーションをもたらした。現在、13億を超えるユーザーがいるFacebookはSNSの1つとして、その価値をゆるがぬものにしている。

このマーク・ザッカーバーグの言葉で私の好きな言葉がある。

“The biggest risk is not taking any risk.”
(最も大きなリスクはなんの危険も犯さないことだ)

 

よくベンチャー企業は、ハイリスク・ハイリターンと言われるが、
そう言われる本質をよくついているなと思う。

動かなければ、そもそも何も産み出すことは出来ない。
そして絶えず変動する世界において、動かないことは、一番のリスクとも言えるのだ。

マーク・ザッカーバーグは、失敗してもいいからとにかく前に進め、という考えであった。

これはJCの精神とも通じるものがあると思う。

それはJCではよく「失敗してもいいからトライせよ」というからである。
JCという組織の中で、事業を企画し、立案し、遂行する。
そしてその事業の報告において、「目的に達成したかどうか」の検証をする。
万一失敗しても、その失敗が社会的に誰かに負債を負わせたりするわけでない。
我々の会費でまかなった事業費内でのリスクに収めることが出来る。
万一の時には、ちゃんと日本青年会議所本会が事業にかけてくれるJC保険もある。
だから失敗を怖れず、新たなものにトライすることが出来る。

これは社会における新たな価値の創造の疑似体験であると思う。

そして、JCとは若者の集まった1つの大きな力の集合体である。
青年が集まり、叡智を集約し、社会のために役立てる。
そして自らがリーダーとなり、明るい豊かな社会を目指す。
それは時によって、新たな価値を築き上げ、イノベーションへと繋げる大きな力となり得る。

そういう意味ではJCとは、ある意味、アントレプレナーと言えるのかもしれない。

※上記の記事は、個人的な見解によって書いていますので、間違い・偏り等がありましたら、ご了承ください。

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